講師の紹介

山本 望美 

瓢箪山の静かな住宅街。窓から柔らかな日差しが差し込む一室で、中年の女性が静かにスマートフォンを覗き込んでいました。彼女の名は望美。昨年、突然の大病に見舞われ、長い間自宅療養を余儀なくされていました。

退屈な療養生活の中、ある日何気なくSNSを眺めていた望美の目に飛び込んできたのは、淡い色彩が織りなす美しいパステリア書の画像でした。その瞬間、彼女の心に小さな火が灯りました。

「こんなに綺麗…」思わずため息が漏れます。幼い頃から絵を描くのが苦手だった望美でしたが、このパステリア書に魅了され、どうしても自分の手で描いてみたいという強い衝動に駆られました。

体調が回復するにつれ、望美は近所で開催されているパステリア書の講座を探し始めました。そして運命のように、徒歩圏内にある小さなカルチャースクールで、新米インストラクターによる講座を見つけたのです。

「私にも、できるかしら…」不安と期待が入り混じる気持ちで、望美は講座に参加しました。そこで出会ったのは、自身も駆け出しながら熱心に教える若いインストラクターでした。

「上手く描けなくても大丈夫です。楽しく、ゆっくり進めていきましょう」インストラクターの優しい言葉に、望美の緊張がほぐれていきます。

今、望美はパステリア書を通じて新たな人生の章を歩み始めています。かつての病気の辛さを忘れ、色とりどりのパステルが織りなす世界に没頭する時間は、彼女にとってかけがえのない癒しとなっています。

そして、駆け出しのインストラクターとの温かな交流は、望美の日々に新たな喜びをもたらしています。二人で楽しみながら、ゆっくりとパステリア書の世界を探索していく – それが今の望美の幸せなのです。

「これからも、楽しく、ゆる~く描いていけたら…」そう思いながら、望美は次の講座の日を心待ちにしているのでした。

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